こんにちは。ワイポケのKYONです。
こちらでは、私が経営する少人数制スタジオ事業のこと、仕事のこと、そして人生の生き方についてお伝えしています。
先日、お世話になっている鍼灸師さんに施術してもらっている最中、与太話のような会話の中で、こんな会話になりました。
「極論ですけど、整体って、いらないんですよね。」
もちろん、これは整体や鍼灸の是非を問う話ではありません。(その鍼灸師の先生も整体をされています)
私自身、外側から身体を整えてもらう価値は強く感じていますし、実際に助けられてきた一人でもあります。
それでも、この言葉が妙に腑に落ちたのは、「身体が元に戻ってしまう理由」を、とても正確に突いていたからだと思います。
整体とかマッサージとか、施術を受けた直後は、身体が軽くなり、動きやすくなります。
痛みが和らぎ、「これで良くなった!治った!」と感じることも多いですよね。
けれど、数日、数週間、ましてや数時間経つと、気づけば元の違和感が戻ってくる。
これは決して施術が悪いわけではありません。
理由はとてもシンプルです。
身体の状態を決めている大半は、施術の時間ではなく、生活の時間だから。
1時間の施術より、23時間の生活の影響のほうが大きい。
身体が元に戻るのは、むしろ自然な反応だと思います。
人は「忘れる」生き物であるというのを聞いたことがありますか?
人は、意識したことを維持し続けられる存在ではありません。
これは怠慢ではなく、人間の構造です。
学習や記憶が時間とともに失われていく現象を「忘却曲線」といいます。
人は新しく得た情報も、何もしなければ急速に忘れていきます。
これは知識だけでなく、
「正しい姿勢」「楽な動き方」といった身体感覚にも当てはまります。
施術後に
「この姿勢を意識してください」
「この動きを忘れないでください」
と言われても、数日後には戻ってしまう。
それは、意志が弱いからではなく、
意識は放っておくと薄れていくものだからです。
人は「慣れ」によって生きています。これが「習慣」です。
私たちは、毎日の生活をいちいち考えながら過ごしてはいません。
考えなくてもできる状態、つまり「いつものやり方」に戻ることで、生活はスムーズに回ります。
身体も同じです。
無意識で繰り返してきた動きや姿勢は、その人にとって最も“慣れた状態”。
だからこそ、意識を外すと、身体は自然と元に戻っていきます。
元に戻ることは、人間として正常な状態だと思います。
なので私が重要だと思うのは、
「元に戻らない身体」を作ることではありません。
むしろ必要なのは、
元に戻ることを前提に、また整え直せる仕組みです。
外から整えてもらうことは、身体にとっての「きっかけ」になります。
しかし、その状態を維持するには、
- 日常で気づけること
- 忘れても、思い出せる環境
- 定期的に感覚をリセットできる場
が必要になります。
キッチンではなく、洗面所に歯ブラシを置いている人が多いと思います。これは「忘れても、思い出せる環境」設定です。
身体管理とは、
一度で完成させるものではなく、生活の中で何度も更新していくものなのだと思います。
それを伝え続けるのが、私の仕事
この会話を通して、
私はあらためて自分の仕事を再確認しました。
私の役割は、施すことでも、治すことでもありません。
生活の中で身体が元に戻る理由を伝え、それでもまた整え直せる視点を、何度でも思い出してもらうこと。
忘れることを責めず、戻ることを否定せず、「またここからでいい」と伝え続けること。
それが、身体管理の本質であり、本来、私が担うべき仕事なのだと感じています。
身体は、魔法のようには変わりません。
けれど、変えるのは絶望するほど難しくもありません。
今日の座り方。
今日の呼吸。
今日の一歩。
その積み重ねが、
「元に戻りにくい身体」ではなく、
「整え直せる身体」を育てていきます。
整体がいらなくなるかどうか、ではなく、整体に頼り切らなくていい身体へというお話でした。
その道のりを、考えていけたらと思います。

